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水橋売薬の歴史
・・・水橋について 1.1 水橋売薬の発祥 2.1 仲間組、向寄を組織 3.1 水橋売薬の組織と藩の支配 4.1 他地域売薬との競合と連携 5.1 明治新政府による売薬業統制の動き (執筆中) (執筆中)
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旧(財)水橋郷土史料館
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水橋売薬の歴史 5.明治維新と水橋売薬
これまで、競合と連携の動きをお話ししましたが、時代はついに明治維新を迎えます。 5.1 明治新政府による売薬業統制の動き 倒幕と明治維新の混乱は売薬行商にも大きな影響を与えました。懸場が戦場となって行商が出来ないなどの支障が出たのもまた事実でありました。 また明治維新政府は一連の売薬業統制を行い、売薬業に多大な影響を与えました。
詳細は省きますが、売薬が官許となり、薬味成分が届出制となり、製薬および売薬が厳しい政府の管理下に置かれました。 こうした厳しい環境によって、売薬会社設立と帳主の統合整理を進めることになりました。 また明治十六年(1883)には売薬印紙税が始まります。これは薬商品の売価に応じ平均1割以上の課税を行うもので、売薬の場合、薬商品を客先へ配置する時点で課税となり、売薬業者にとっては負担の大きい過酷な税制でした。また、薬商品に売薬印紙を貼る手間がかかり、この手間にも泣かされました。 この売薬印紙税施行当初から、売薬業者らは団結して積極的な廃止運動を進めましたが、実際に廃止されるまでに40年近くの年月を要し、長年に渡り売薬業者を苦しめました。 5.2 明治維新と水橋売薬人 明治新姓までの経緯 さて、明治維新政府の大きな政策に、苗字必称制度があります。『明治の新姓』ともいい、これは徴兵、租税徴収のため国民一人ひとりを把握する戸籍制度です。 ここで、『明治八年 平民苗字必称義務』に至るまでの経緯をまとめます。
通常、『江戸時代までは庶民には苗字がなかった』と言われますが、これは事実に反しており、士農工商という身分制度上、『公称できなかった』というのが事実です。 実際、天領では、農工商身分の者による苗字の私称を示す地方文書が多数みられ、比較的取締りがゆるやかだったようです。一方、外様大名らの藩領においては、苗字の私称に関しては厳しく規制されました。外様大名領である越中においても同様でした。 ただ、『公称できなかった』だけで、江戸期以前からの苗字を代々伝えた家も多くありました。 明治維新後、新政府は租税徴収を徹底するため国民一人ひとりを把握するため、戸籍制度を整備を開始します。このひとつに国民皆苗制、いわゆる明治新姓がありました。 明治三年の京都戸籍仕法に始まった明治新姓の動きは、明治八年の苗字必称義務の時点で基本的に苗字の変更が禁止され、ここに現在に続く国民皆苗制が確立します。 この明治八年が現在我々が広く苗字を公称する始まりであることは、案外知られていない事実です。 明治新姓と水橋売薬人 では、明治維新政府による明治新姓までの動きのなか、水橋売薬人はどう対応したのか追ってみたいと思います。 明治三年に『国名官名の通称名使用禁止』令が出ます。これは律令制の衛門府、兵衛府に由来する『衛門』『兵衛』の使用禁止を定めたものでした。この時期の古文書に記された水橋の売薬人の名を調べると、彼らが改名を行ったことがわかります。
例えば、中野屋安右衛門は、『右衛門』が使えなくなったため、中川安衛と改名していますし、石黒屋七右衛門は石黒七次、尾嶋屋三郎兵衛は尾嶋三郎平とそれぞれ改名しています。 当時の改名パターンとして、
といったものがあり、全国でこうした改名が行われました。 また、明治八年の苗字必勝義務までの動きのなかで、水橋売薬人の苗字の変遷は興味深いものがあります。 水橋郷土史料館所蔵の資料のうち、明治八年までの複数の資料の中から水橋売薬人の苗字の変遷をたどってみると、未だ名のみを名乗る者や、屋号から屋を省いたものを苗字代わりに使用する者、明治三年の苗字公称許可後早々に代々受け継いできた(と思われる)苗字を名乗る者等、各家で様々な対応をしている様子が伺えます。 越中に限らず、全国で同様の動きが見られ、各地に様々なエピソードが残っています。このように苗字必称までの過程では、各家で様々な苦労があったことが想像されますが、前述の通り、こうした明治新姓の話題自体がほとんど知られていません。 明治新姓までの経緯を物語る資料 明治八年までの水橋売薬人の苗字の変遷を示す資料として、「明治七年(1874)三月 薬味分量取調願上方名面之記」があります。
この古文書では、当時の水橋の売薬人が多数自署しており、翌八年の苗字必勝義務直前に各売薬人がどのように名乗っていたかを知ることができます。
© 2003-2005 Takeshi Kagaya
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